政策的優先度 2010 7 17
先週の参議院選挙では、
消費税の増税議論で盛り上がっていましたが、
私からすれば、その光景は、
政策的優先度がわかっていないと見えました。
今、日本が取り組まなければならない問題は、
「円高とデフレ」です。
いくら増税しても、
円高とデフレが進めば、帳消しになってしまいます。
どうして、そんな簡単なことがわからないのか。
6月25日の朝日新聞で、
レスター・サロー氏がインタビューの中で、こう述べています。
デフレ状態の日本で消費税増税が議論されていることについて、
「クレージーだ。
消費が減るだけで、不況を永遠に引きずることになる」と指摘しています。
消費税と景気 2010 6 26
多くの政党で、消費税増税を主張していますが、
現在の経済情勢で、消費税を増税すれば、
基本的に、不景気となります。
これをどう説明するのか。
「景気は不景気となりますが、
社会保障と財政再建のために、増税させてください」と言うのが、
正直な政治家と言えるでしょう。
私は、以前、現状では、消費税を増税すると、
結果的には、デフレと不景気が、さらに進むと、何度か書きました。
昨日(6月25日)の朝日新聞でも、
レスター・サロー氏がインタビューの中で、こう述べています。
デフレ状態の日本で消費税増税が議論されていることについて、
「クレージーだ。
消費が減るだけで、不況を永遠に引きずることになる」と指摘しています。
これが世界の常識でしょう。
なぜ、日本の経済学者たちは、
レスター・サロー氏のような主張をしないのか。
日本では、学問の世界でも、「お上」意識が強いので、
やはり、「お上」に都合の悪いことは主張できないという雰囲気があると思います。
かつて、日本がバブル経済で絶好調の時に、
アメリカの高名な学者が、このように、つぶやいたと聞きました。
「アメリカの経済学は一流なのに、アメリカ経済は二流。
日本の経済学は二流なのに、日本経済は一流。
何でだろう」
若い時には反骨精神があっても、
年を取れば政府から勲章がほしくなる。
あるいは、日銀の審議委員になりたい。
勲章をもらいたい時、あるいは審議委員になりたい時は、
まず、「お上」の「お抱え学者」になる必要があります。